今日はある意味ジョン・メイヤーの象徴的なギターなんだけれど、実はあまりピックアップされないギターについての独り言です♪♪♪
ジョン・メイヤー好きなら知らない人は居ないでしょう…彼の象徴器である’Black 1’です。2004年にFender Custom Shopにてジョン本人が塗装をし、またジョン本人がレリック加工を施した愛機です。Fenderとの契約を解除しPRSに移行後にも、「やはりジョン・メイヤーと言えば’Black 1’」と言っても過言ではないでしょう。
当然ながらジョン本人が製作に携わった’Black 1’は世界に一本しかありません。が、2010年にFender Custom Shopより、ジョン本人の’Black 1’製作に携わったビルダー”ジョン・クルーズ”が83本限定でこのモデルを製作しました。あまりにもレアなこのギターは「現在800万以上で取引されている」という説もあるようです。とんでもない金額ですが、かなり良い作りですし、何よりジョン・メイヤー本人のギターを製作した人物が作っています。それくらいの価値があっても驚きはしないでしょう。
そんなレアなギターが作られた同年、(カスタムショップではない)Fenderの通常ラインより500本限定で’John Mayer Signature Stratocaster Limited Edition Black 1’が製作されました★
コンセプトとしては「レリック加工する前の’Black 1’」といった所か、または「既に生産ライナップにあったジョン・メイヤー・シグネチャーシリーズのブラック版」という感じでしょう。細かい仕様等は写真↑の通りです、それまでの彼のシグネチャー・ストラトと大きな違いはないように思われます。超絶レアな’Black 1’よりは安価だったであろうと予想できますが、今となってはこのギターもなかなかレアです。あまり市場で見かけることはありません。
で、今回のテーマはこのNOS’Black 1’なのです!!
手元に眠っていたブラックのストラトをNOS’Black 1’風の日常ユースギターにするべく、手を加えたわけなのです。弾く機会が少なくただ眠っていたギターです。「チョチョっと手を加えて”ジョン・メイヤー風”にし、パッと手に取って弾けるギターにしたろうじゃないかぃ」というのがアイデアでした。目指したのはコノ↓感じです。
ジョン・メイヤー本人が手にしているコノ↑NOS’Black 1’、市場に出ている物↓とはほんの少しだけ違います。上のギターは、下のギターとはちょっとだけ違うのです。
気付きましたか???
ストリングガイドの位置が違うのです。通常のジョン・メイヤー・シグネチャーのストリングガイドは一般的な位置より高い位置(4弦と3弦の間くらい)にあるのです。これはこれでいいんですが、僕はあまり好きではなくて…ジョンの愛機’Black 1’も64年製ストラトも、ストリングガイドの位置は一般的な位置(5弦と4弦の間くらい)なのです。僕はそっちの方が好みなのです。ですので、目指すギターの姿はコノ↓感じなのです(^^)
ということで、眠っていたブラックのストラトキャスターに手を加えます。1990年台後半から2000年台初頭に作られたMIJストラトがベースです。アルダー・ボディにメイプルネック×ローズ指板…(材質のランクは劣るものの)スペックはJMのギターと似ています。近年アジア圏で安く製作されているギターに比べると、1990年台はまだ良い材が使われていたように思います。以前もご紹介した‘Silver Sky’仕様の’GREEN’も同じ頃のギターです。このギターも本当に木材の質が良く、良い音のするギターです♪
今回のギターも御多分に漏れず、近年の安価なギターよりはかなり良い木材が使われている印象です。
さて、スペックに戻ります。指板のRは9.5、こちらもジョンのモデルと同様です。フレットがつば出しで22フレットになっている点だけ違うのですが…よく見ないとわからないので「ヨシ」とします笑。
ピックガードやピックアップカバー、ツマミなどはミントグリーンの物に交換します。ブリッジからジャックプレートからネジに至るまで、パーツ類は全てゴールドに換えました。ここは本家’Black 1’に準ずる仕様ですね♪
ピックアップは元々載っていた物を使います。パワーがありつつも所謂”ストラトらしい音”で良い感じだったのです。コントロール類もアメリカ製が使われていましたので、そのまま使います。ただ一点、コンデンサーだけは俗に”カメムシ”と呼ばれる安価なタイプが使われていました。”コンデンサーで音は変わるのか?!”というのはギター好きにとっては永遠のテーマの一つでありますが笑、僕は「音がそこを通るんだから、何かしら影響してるっしょ」と思っています。聴力の範囲を超えた所で、きっと影響しているのだと信じています。(勿論、聞くからに音が変わる場合もあるのかも知れません)。
ということで、コンデンサーだけは交換です。JMのギターにどんなコンデンサーが使われているのか、リサーチしてみましたがわかりませんでした。’Silver Sky’に使われている物は判明していて、’GREEN’に載ってたりするんですが…
‘Black 1’に関してはわからなかったので、ビンテージライクな物をヤマカンでチョイスしました笑。
ここで一つ拘っていることなのですが…ストラト系ギターの音の要である”ブリッジ”です。さらに言えば、ブリッジ下に搭載されている”イナーシャブロック”です。(繰り返しになりますが)イナーシャブロックはストラト系ギターの音の要で、これを良い物に交換するだけで響きが大きく変わります。人それぞれ好みが分かれるのかも知れませんが、僕は”スチール製”の分厚くて大きい物が好みです。
ってことで、ドーンと交換。これだけでもかなりズッシリと重みが増します♪
ささ、残るはヘッドです。「細かい仕様等は、それまでの彼のシグネチャー・ストラトと大きな違いはないように思われます」と前述しましたが、一つ大きく違う点を挙げるとすれば使われているペグです。本家’Black 1’でも、そして500本限定のNOS’Black 1’にも、SCHALLER製のゴールド×パーロイドノブのペグが採用されています。これはJMのギターヒーローであるスティーヴィー・レイ・ヴォーンのギター’Number One’を真似たものです。
ということで、今回のギターもヘッドにはゴールド×パーロイドノブのペグを装填します★
材料集めに時間がかかりましたが、物さえ揃えばパパッと作業をして完成です。楽しい時間でした★
あ、そうそう。JMのシグネチャーモデルの特徴の一つですが、彼のシグネチャーにはバックパネルがありません。パネルがありませんので、元々ネジ穴すらも開けられていません。ですのでイナーシャブロックやスプリングが丸見え状態です。僕のギターもそうしたことがあるのですが、取り回しの際にバネに当たったり引っかかったりするので、やはりバックパネルを付けるようにしています(^3^)b
かくして、”高価ではないけれど音が良くて、常に机横に置いていつでも手に取れるギター”が完成したわけなのです。ギターをいじったり工作したりが大好きなので、”日曜大工”のような感覚で楽しく作業できました。仕上がりには満足していますし、何よりその音にはもっと満足しています。本当に良い音がします。いつまででも弾いていられるのです。「今まで放置しててゴメンな〜」と思いながら、夜な夜な爪弾いています。
と、今日はチョコっとギターをカスタマイズしてNOS’Black 1’を作ったお話でした。ではまた!!