今日の話題は1970〜1980年代にかけて製作されていた鈴木バイオリン(Three S)の『Troubadourトルバドゥール(吟遊詩人)』シリーズの1本。”TG-035T”という12弦ギター。なかなかレアな、所謂”ジャパン・ビンテージ”と言われる一本です。
敬愛するジョン・メイヤーが昨年よりスタートした『John Mayer SOLO Tour』にて使用している”謎の12弦ギター”がありまして、それに「ソックリや!!」ということで入手したギターです。
なかなか使用頻度の高いOOサイズの12弦ギターなのですが、とても謎が多いのです。今も昔もMartin社のラインアップには無い機種で、「特注で作られた品ではないか?」との憶測がされていました。ネットやインスタ界隈のJMファンの間でも、???マークが飛び交っていました笑。
この程発売された『ギターマガジン2024年3月号』にはその近影と、現時点でわかり得る限りの情報が掲載されていました。それによると”Martin社の帳簿には、1973年に一本だけ’OO12-35’というギターが製作された記録がある”のだそうで。これがそのギターなのかどうかは不明だそうですが、僕個人としては勝手に「そのギターじゃんか!」と信じていたりします(^^;)ま、それはいいとして…
今回のギタマガはJMファンにとっては”神号”と呼べるかと思います。是非ご一読くださいまし♪
さてさて、話は僕の所有機Three S ‘TG-35T’に戻ります★
ジョンのギター程古くはないものの、おそらくは1970年代後半から1980年代の極初頭に製作されたギターと思われます。製作数もかなり少ないと思われ、楽器屋さんでは「随分貴重なギターをお持ちですねぇ」などと感心されました。当時のカタログによると販売価格35000円で、今見てもなかなかニッチな線を攻めているシリーズであることがわかります。
この『Troubadourトルバドゥール(吟遊詩人)』もまた、なかなか謎が多いシリーズかと思います。何しろ数が少ないので、ネットで検索してもあまり詳細なことがわかりません。”1”から始まるシリアルナンバーなのですが、ネット上で「これは通し番号ではないか」という説を見つけました。通常Three Sのシリアルナンバーは例えば「800402」であれば、「(19)80年の04月02日製造」を意味するのだそうです。
※下二桁の数字は”何本目に作られた(↑この場合02本目になる)”を意味するという説もあるそうです。ただ、”下二桁は日にちを意味する”説が有力なのだそうな※
話を所有機に戻します笑。トップはスプルース単板、サイド&バックはローズの合板。ネック材はナトーで、指板はローズ材が使用されています。JMのギターはネックがおそらくマホガニーで作られていそうですが、「それ以外の木材は同内容なのでは?」などと勝手に想像しています(^3^;)
僕が入手した時点ではネックの状態が悪く、弦高がかなり高い状態でした。前所有者の方も「コレクションとしてお譲りします…」という感じだったのです。勿論コレクションするに値する希少なギターです。でも、せっかく手に入れたのなら「JMみたいに’Last Train Home’を弾いてみたい!!」「JMみたいにこのギターでSomething Like Oliviaを弾いてみたい!!」と思ってしまうのがファンなのです(^m^;)ということで、渋谷の沖田ギター工房に持ち込んだのが昨年10月でした。
沖田ギター工房(渋谷)さんは3ヶ月の期間をかけ、丁寧に大切にこのギターを直してくださいました。担当してくださった方も「希少なギターですからね、しっかり作業させていただきました」と言ってくださり、OGSにお願いして本当に良かったと心底感謝している次第なのです★修理内容としては…
・ブリッジ剥がれの接着
・ブリッジ割れの修理
・トップ板の割れ修理
・フレット擦り合わせ
・弦高調整
・牛骨サドルの製作
結果、預ける前よりもだいぶ弾き易いギターに大変身して帰ってきました(^^)しかも牛骨サドルはサービスで製作してくださいました。「(サドル製作は注文には入っていませんでしたが)大切なジャパン・ビンテージなので、しっかり鳴るように交換しました」とのこと。職人さんの粋な計らいでした♪♪♪(ギターの細かな写真はインスタの方に投稿しておこうと思います★)
最後に職人さんから「何故かわからないんですけど、中に木片がへばりついてたんですよ。一応お返ししますね笑」と。かくして、使途不明の木片も一緒に戻ってきました笑。
ということで、今日は希少な12弦ギター”TG-035T”についてでした。ではまた★